サクラてんぐ巣病菌Taphrina wiesner融の早期検出法の検討

摘要

サクラのてんぐ巣病は，枝の一部が膨らみそこから無数の小枝が叢生する病害であり，全国各地でサクラ衰退の原因となっている。罹病枝には葉芽のみが形成され，花芽がつかないため花は咲かない。 病原菌Tahrina wiesneriは，開花期が過ぎた頃，罹病木の葉裏に子のう胞子を形成するためその存在を確認できるが，その他の時期の潜伏場所は不明である。さらに，感染部位や侵入経路，侵入時期などが明らかにされていないため，現段階では罹病枝の切除以外の効果的な防除法は確立されていない。