中山間地域の休耕畑におけるめん羊の放牧時の行動

摘要

近年、中山間地域では農家の労働力不足や高齢化、獣害による耕作意欲の低下などの理由から、休耕地が増加しており、大きな社会問題となっている。 演者らはめん羊の持つ食草上の特性に着目し、2年間にわたる調査から、めん羊の放牧が休耕畑の荒廃防止に有用であり、ゼ放牧した子めん羊の行動および発育性には性差がみられなかったことを報告した。しかし、梅雨の影響によって採食時間が不安定になり、めん羊の増体量が少なかったことや放牧期間の長期化が課題として残った。 そこで、本調査では放牧圧および放牧時期の違いが、休耕畑に放牧しためん羊の行動と空間分布および発育性にどのような変化をもたらすのかについて明らかにすることを目的とした。