飼料イネ栽培における成型牛糞堆肥の肥効と跡地土壌への影響

摘要

米の消費が低迷する現在、米を生産する場であった水田において、他の作物を作る転作が奨励されている。 しかし、地域によっては土壌が重粘質で畑作物では湿害などが発生しやすいなど、安定して栽培できる作物が見つからない場合がある。一方、畜産においては輸入飼料依存からの脱却を計るために国産飼料供給の必要性が叫ばれてきたが、特に近年、輸入飼料の価格高騰もあり、水稲の子実と茎葉をまとめて牛に供試する飼料イネ栽培が国内で拡大している。 飼料イネは食用水稲と作物的には同じであり、用途が異なるだけであるから、基本的な栽培方法は食用水稲と同じで、その技術や機械を利用できる。 したがって、米の消費低迷に関係なく水稲の作付けができる飼料イネ栽培は、畜産農家だけでなく耕種農家にとっても一つの大きな選択枝となっている。