日本の稲作雑草管理、20年のあゆみ

摘要

今から22年前、1982年に初の一発処理除草剤が発売された。従来は除草剤を2回組み合わせた体系処理と補完的な手取り除草でイネの生育期間中の雑草を防除してきたが、一発処理剤は、田植え後1度の使用で通常の水田雑草の防除を可能とした。 除草回数の減少と除草性能の向上は、除草作業にかかる10a当たり労働時間の大幅な減少をもたらし、1983年の5．3時間が、一発処理剤が普及した1993年には1．9時間と半分以下に減少したのである。 この20年間、稲作環境やそれを取り巻く社会情勢が大きく変わった。30a程度に基盤整備された水田区画の整備率は、1983年の35％から1993年51％、2001年59％へと増加したが、一方で農業従事者の高齢化が進み、農作業受委託が増加して、稲作経営の大規模化に拍車がかけられた。 また、消費者の安全性への志向が高まり、農薬もその例外ではなかった。