「赤シソ」の青枯病二次伝染防止のための刈刃装置の開発 一刈刃装着の加熱装置について一

摘要

愛媛県特産作物「赤シソ」の青枯病防除対策が急がれている。この病害は，収穫機の刈 刃に病原菌が付着し，これが隣接株に伝染し，刈り取りを重ねるごとに拡大するというもので，刈刃を以上に加熱することで伝染防止できるという。本研究は，この知見に基 づきセラミックヒータやマイク口ヒータ等を用いた加熱装置を試作し，刈刃先端部におけ る温度分布を調べ，実用性について検討すること，刈刃各部の所要動力を調べ，エンジン 駆動部の合理的設計のための基礎資料を得ることを目的とした。なお，本研究は愛、媛県農 林水産研究所を中核とする新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業課題の[特産 作物「赤シソ」を脅かす青枯病を防止する収穫機の開発]の一部として実施したものである。 先ず，幅30mm,長さ300mm， 290Wの板状セラミックヒータ（図1)を直接市販の茶刈 り用レシプロ刃（長さ1100mm)の上刃に3枚，下刃に3枚，計6枚（1.74k W)取付け， 刈刃先端部の温度を測定した。コントローラで240°Cに設定した結果（図2),10分程度 で100°Cに達した。その後，刈取り用ブロワを停止すると急速に200°C付近に上昇したが， ヒータ部が刈刃部と一体で動くため熱供給コードなどの耐久性に問題のあることが分かつ た。