浅層土壌へ家畜ふん尿を施用する効果と技術

摘要

わが国の畜産業において，家畜ふん尿の処理について固形分は畜舎や圃場の隅で野積みされ，液状分に関しては，圃場表面に散布されるケースが多い。 雨ざらし状態で野積みされている固形分から排出する液による水質汚濁に関する苦情や圃場表面に散布することにより発生する臭気に関する苦情が近年増加している。 これに対して現在，家畜排せつ物法，持続型農業促進法，改正肥料取締法のいわゆる環境三法が施行され，良質堆肥の生産とその利用を促進する方針が打ち出され，畜産公害といわれる臭気問題や水質汚濁問題を発生させない効率的なバイオリサイクルの利用が推進されている。 特に，家畜排せつ物法では平成16年度までに野積み，素堀を解消することを目的に，堆肥化施設の導入が急ピッチで進められている。