二酸化炭素濃度と温度がコマツナの食味へ与える影響

摘要

大気中のCO_2 濃度上昇により，多くの植物の生育ゃ収 量が増加することが知られている（Drake et al,1997 ； Terashima, 2003)。これは，植物の炭素固定酵素である リブロース1，5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/ォキシゲ ナーゼ（Rubisco)が現在の大気CO_2 濃度では飽和せず， CO_2 が光合成の律速要因となっているためである。また， C_3植物で顕著にみられる光呼吸が，大気中のCO_2 濃度上昇により抑えられるためでもある。光呼吸はCO_2の代わりにO_2 が拮抗的にRubiscoに結合して引き起こされる もので，炭素固定を阻害するだけでなく，エネルギーと 炭素同化物を消費し，炭素同化効率を顕著に低下させる。 したがって，大気中CO_2 濃度が上昇すると，植物の炭素 同化速度および炭素同化効率が増加し，バイオマスが増 加する。