バイオマスを活用した循環型社会づくり－静岡県における菜の花資源循環システムの現状と課題－

摘要

近年の温暖化現象をはじめとする地球規模での環境問題は，これまでの大量生産、大量消費の経済システムの破綻を示すものであり，資源の循環利用を柱とする持続可能な経済システムの再構築が従来にも増して重要となっている。 「菜の花資源循環システム」は，菜の花をシンボルに地域資源を有効に活用し，①休耕田等で菜の花を栽培し，農業教育や環境教育の場として活用する②収穫した突から搾った菜種油を食用に利用する③家庭等から廃食油を回収する④廃食油を精製して、軽油に代わるバイオディーゼル燃料に変換する⑤自動車や農業用機械にバイオディーゼル燃料を利用し再び畑を排して菜の花を栽培するというように，菜の花を起点として身近な生活の中から地球温暖化などグローバルな環境問題をについて考え行動する，地域社会を基盤とする資源循環システムのことである。