地球温暖化防止と我が国農業

摘要

1989年代以来，地球温暖化問題は人類の将来を脅かず環境問題として認識されるようになった。 化石燃料の使用などに起因する二酸化炭素等の温室効果ガス濃渡の上昇は，気温の上昇，降水量の増減など気候の変動につながるものと予測されており，海面の上昇や生態系への影響等により様々な深刻な影響があるものと见られている。 なかでも，農業は地球温暖化により作物体の生育への影響や病害虫の発生の増大，適作地の移動等が予測されており，最も大きく影響を受ける分野のナナつと考えられている。 農業は一方で，温室効果ガス（二酸化炭素，メタン，亜酸化窒素等）の排出源でもあり，京都議定書の合意を受けて，地球温暖化の防淡のために他の産業分野や民生分野と同様に排出削減に向けた努力が必要となっている。 本稿では地球温暖化問題に対する農業の今後の取り組みについて整理することとする。