さとうきびの周年収穫、多段階利用に向けた品種の開発と新たな作型

摘要

日本のサトウキビ産業は，1623年に儀間異常が琉球へ黒糖製造法を伝えたことに始まり，一時は関東地方にまで産地が拡大した歴史的経緯を持つ。 現在の主な産地は南西諸島であり，分蜜糖あるいは黒糖用原料として栽培が行われている。 南西諸島の各島々は，そのほとんどが亜熱帯地域に属している。小さな島であることから，気温の日較差が小さく，夏に降雨が多い。 夏の降雨は台風の接近に伴う多雨，豪雨であり，年間を通した降雨の分布は良くない。 台風の襲来はサトウキビの生産に悪影響を及ぼすことが多い反面，台風接近のない年は，深刻な干ばつとなる危険を常に抱えている。