糸魚川ササユリのバイオ鱗茎増殖

摘要

糸魚川市は，新潟県の西端富山県境に接し，フォッサマグナ帯の西縁となる糸魚川～静岡構造線が走り，日本列島の中央部に位置して東北日本と西南日本を分ける地質、地形的に有名なところである。 アルプスと日本海をつなぐ飛騨山脈の北端に在り，0～3，000mに至る植生を連続して確認でき，学術的にも貴重な存在である。 海岸線は45Kmに渡り，地域産業の物流拠点となる姫川港，日本海側最大の埋蔵量を誇る青海石灰石鉱床は，化学工業の資源として活用されている。 そして，県下最高峰の小蓮華山（2，769m）が肇え，県境には白馬岳、火打山、雨飾山と日本百名山を3座も擁している。また，天然記念物に指定されているヒスイ原石の産地で，縄文時代より栄えたヒスイ文化の発祥地である。 全国各地の遺跡より出土したヒスイの大珠や匂玉は，すべて糸魚川原産であるといわれている。