耐倒伏性が強く、多収なサイレージ用トウモロコシ新品種「北交55号」

摘要

サイレージ用トウモロコシは多収で高エネルギーな自給飼料作物として北海道では約3万6千へクタールに栽培されている。 酪農経営の大規模化や乳牛の高泌乳化が進む中、「食料、農業、農村基本計画」に示された自給飼料生産の目標を達成するためには、生産力の高いトウモロコシの作付け拡大が欠かせない状況となっている。 トウモロコシの生育期間が限られる北海道では、地域ごとに収穫適期の黄熱期に達する熟期の品種が求められる。 現在の普及品種は、そのほとんどがヨーロッパや米国からの導入品種で占められているが、寒冷な生育環境への適応性や耐倒伏性がより優れ、種子の安定供給が可能な国産優良品種の育成が待たれている。 「北交55号」は、北部を除く道央地域と道南地域を適地とする“中生の中”の品種で、耐倒伏性が強く収量性に優れ、北海道の奨励品種に採用された。平成15年度から種子の供給が開始される予定である。