大規模収穫、調製に適した品質向上のための小麦適期収穫システム

摘要

畑作研究部生産技術研究チームでは、「大規模畑作地帯における圃場環境情報システムの開発（平成7～12年度」のなかで、圃場で収集された情報の利活用方法を検討してきた。 高解像度衛星IKONOSの打ち上げに伴い平成11～12年度には（株）三菱商事及び（株）ズコーシヤと共同研究（「衛星リモートセンシングによる小麦の生育量および収穫順位の推定に関する研究」）を行い、生育時期別のSPAD葉緑素計による葉色及び衛星画像から求めたNDVI（植生指数）と穂水分の関係を検討した結果、衛星画像から小麦の生育進度を圃場毎にマップ化できる可能性が確認できたため平成13年度から新たに「衛星リモートセンシングによる小麦収穫順位の推定」を開始し、衛星画像から小麦の生育の早晩を圃場毎にマップ化し広域に渡る収穫、乾燥の効率化に有益な情報を提供するための研究を行っている。また、麦育種研究室、品質制御研究チームは、小麦収穫期の穂発芽被害等により発生する「低アミロ」小麦を検査現場で仕分けを行うため主に臨床分野で用いられているドライケミストリー法（乾燥状態で保存された試薬が測定時に液状の試料と出会って初めて試薬の含まれるマトリックスにおいて化学反応が進行する検定法）を小麦のα－アミラーゼ活性測定に適用した結果、極めて簡易迅速にアミログラフ最高粘度やフォーリングナンバー値の推定が可能であることを明らかにした。