温度がトマト果実の生育、成熟に及ぼす影響に関する研究

摘要

De Koning (2000)はトマト果実の成熟までの過 程を4段階（2週間）に分け，それぞれの段階にあ る果実をつけた植物体（'Calypso'など）を異なる温 度（17-23°C)区に移して，各段階の温度（自然対 数値）に対する果実の生育速度（開花から成熟まで の日数の逆数）の関係を調べた.いずれの段階でも 正の直線関係にあつたが，傾きが成熟期で大きく， 成熟期の温度の影響が著しいことが示された.Adamsら(2001)は播種後21日苗'Liberto，を人工 光室で育て，14，18， 22および26°Cの温度処理を したところ，開花から果実成熟までの日数はそれぞ れ95， 65， 46および42日（第15果房まで）であつ た.さらに20°C室において43日苗を育て，第3花 房を透明容器に入れ，內部温度を15，20ぉょび25で に制御した.両実験で得られた第3果房の果実生育 速度（成熟日数の逆数）の値を混みにして，処理温 度に対してプロットしたところ，全ての点が正直 線の極近傍に位置した.このことから，果実の生育 は高温で促されるが，その際果実自体の温度の影響 を受けることが考察された.