萎縮症が発生したニホンナシ‘幸水’幼木の主幹および主枝の切断面

摘要

千葉県は全国一のニホンナシの産地であるが，近年現地では‘幸水’の萎縮症が多発しており，生産力の低下が深刻な問題となっている．萎縮症は樹全体に一度に発生することは少なく壬枝あるいは亜主枝単位で発生することが多い．一般に，萎縮症は開花，展葉開始後数葉までの葉で明確に萎縮症状を示すものの，発生が軽度の場合は展葉が進むとともにしだいに症1犬が認められなくなる．しかし，症状が進むと新梢の伸長，発生は不良となり，果実は凹凸のある扁平の変形果で小さくかつ早熟となり徐々に生産力が低下する．