生理生態特性からみたイチゴ栽〕普の一現状と課題〔1〕 －生産技術の歴史と生産、消費の動向－

摘要

イチゴは生産過剰の恐れがなく，加工用や夏秋期の一部の時期を除いて生果用の果実はほとんどが国内生産によっているので，価格の変動は少なく，生産農家の経営は安定している．技術的には，‘福羽，や石垣栽培に始まる育種と栽培技術の進歩にょって生産が拡大してきた．とくに，1951年の農業用プラスチックの開発以来，促成栽培，半促成栽培，抑制栽培などの各種作型が開発され，イチゴの出荷期は秋から初夏までに拡大した．そして1950年代以後，日本のイチゴの生産量は10倍，単収は約4倍に増加した．また食味を中心とした果実品質の改良も進み，現在品質は世界最高のレベルにあると言われる．