中山間地域における非農家の労働資源利用による耕作放棄抑制効果の分析 －同山県高梁市有漢町S集落を事例として－

摘要

中山間地域では，農業の生産性が低いことや，農家人口の減少、農家の高齢化等の労働力不足により，耕作放棄が増加している．一方で，農家数の減少にょり農業集落内で非農家世帯の割合が相対的に増加している．また，中山間地域は，就業機会が少ないため，非農家に余剰労働資源が存在していると考えられる．このとき，非農家の労働資源を農業に利用することは耕作放棄抑制策として重要な方策である．そこで本研究では，非農家の労働資源利用による耕作放棄抑制効果を定量的に明らかとするため，①農業に利用可能な集落内非農家の労働資源量の計測，②非農家の労働資源を農業に利用することによる耕作放棄抑制効果，農業所得増加効果，集落全体の所得増加効果の分析を行った．