長結果母枝を利用した超低樹高せん定法

摘要

クリは、他の果樹に比べて年間労働時間が短く省力的な品目であるがゆえに、粗放的な管理となり、収量が不安定(裏年、表年)となっている事例が多く見られる。摘果などの着果管理を行わないクリでは、大果を安定生産するのにせん定が最も重要な技術である。また、せん定により病害虫(炭そ病、クリタマバチ)の被害を軽減できることが明らかとなつており、病害虫防除の面からも重要な技術である。このため、岐阜県をはじめとした主産県では、目標樹高を3-5m程度とした低樹高栽培法が開発され普及しているが、この低樹高栽培法においても樹齢が進み最盛期を過ぎたほ年生頃になると、当初の栽植間隔(岐阜県の基準で5 mx 5 m)を維持したままで樹高を3.5 mに抑えることが困難となり、高樹高化や収量の低下、小玉化を招くようになる。この対策として開発したのが長結果母枝を利用した超低樹高せん定法である。この技術は、従来のクリの経済寿命(15-20年)を過ぎても樹高(せん定位置)を低く維持しながら大果の安定生産を可能とするもので、岐阜県では東美濃地域を中心にを超える面積に普及している。