サツマィモ0生産で品種[第11回]品種編（4) 「クイックスイート」

摘要

サツマィモは調理に時間がかかるなど必ずしも便利な食材とは言えず、家庭内での消費量は低下傾向にある。消費拡大のためには、短時間で簡便に調理できることが望ましい。サッマイモを短時間調理が可能な電子レンジで加熱すると、一般的に甘味が薄い。サツマィモは、いもの中の酵素(betaァミラーゼ)が、加熱によって糊化したでん粉を糖に分解することによって甘くなる。酵素は高温では働かないため、酵素が働く時間が短い電子レンジ調理では糖が少ない。この難点を克服し、短時間調理でも甘いサッマイモとして開発された画期的品種が「クイックスィート」である。本品種は、「ベ二ァズマ」を母、「九州30号」を父とする交配組合わせから選抜.育成され(図1)、2002年に「クイックスィート」と命名された。収量は「ベ二ァズマ」より多く、1個重は「ベニァズマ」並みに大きい(表1)。病害虫に対しては、つる割病とサッマイモネコブセンチユウにやや強い。貯蔵性は中程度である。