キュゥリ褐斑病の防除対策について

摘要

近年、安全、安心な農産物の安定した供給が望まれており、化学農薬を削減した生産方式の普及が図られている。一方で、施設キュゥリ栽培では、各種病害虫の多発生により化学農薬の削減は困難な状況にある。中でも、収穫開始直後から多発生する褐斑病(病原菌Corynera cassltslo)の被害が甚大である。褐斑病は、主に葉に発生する病害であり、はじめハローを伴った淡褐色で円形の小斑点を生じ、次第に大型で不整形の病斑となる。多発生時には、これら病斑が融合し、発生がひどい場入口には葉が枯死する(図1)。本病は古くから知られている病害であり、抑制栽培や促成栽培に多発生することはあつたが栽培期間を通じて被害が問題とされることは少なかった。しかし、ブルムレス台木の普及や多肥栽培、周年栽培による菌の常在化により被害が増大するようになり、さらに近年のキユウリ品種の変遷により被害が深刻化した。