積雪の外部効果計測試論--北海道を対象とした除排雪費用アプローチ--

摘要

「雪は天からの手紙である」は中谷宇吉郎の有名な言葉であるが，積雪によってもたらされる様々な社会経済的影響は積雪地域に対して大きな経済的ハンディキャップを負わせていると言わねばならない。 江戸時代に雪国越後の風俗習慣を記した鈴木牧之は「北越雪譜」のなかで「是雪の浅き園の楽しみなり。 我が越後のごとく年毎に幾丈の雪を視ば何の楽しき事かあらん。 雪の為に力を尽くし財を費やし千辛万苦する事，下に説く所を視ておもひはかるべし」と述べている。 このような心情あるいは雪に対する非積雪地域と積雪地域との認識の差違は，現在においても大きくは違ってないように思われる。