英国におけるリージョンの台頭－地方自治改革と新しい都市，農村計画の方向性－

摘要

近年の英国が取り鶴む都市，農村討画の改革は，「リージョン」を舞台として進んでいる。 ここでいう「リージョン」とは，固よりは小さく，県（カウンテイ）よりは大きな空間を指す。 従って，いぐつかの（あるいは単体の）都市部と周辺農村部を含む空間概念である。 この新たな空間概念は，「リージョナル，プランニング」「リージョナル，ガバナンス」として，英国の都市，農村計画および，中央／地方自治に大きな地殻変動をもたらしている。本稿では，英国における「リージョン」をめぐる昨今の地方自治体改革を紹介する。 まず，第2章では，近年の欧州レベルでの政治，社会体制の変化とそれが英国地力自治に与えた影響を概略する。 第3章では，英国の地方自治制度の変遷を整理する。 第4章では，本格的な地方主権時代を迎えた，英国の2つの「リージョン」を事例として取り上げる。 終章では，「リージョン」の台頭とその現代的意義を再考し，我が国の市町村合併とその彼の地力自治のあり方を展望する。