過疎集落からはじまる戦略的な構築と撤退

摘要

過疎集落を起点とした地域の戦略的な再構築につい て，長期的な視点から論じる。ただし本稿の対象は雪が 多い地域である（北海道は除ぐ）。第n章では現在の過疎集落対策が限定的であることを 示す。第in章では限られた人材や支援を拠点集落に集約 することを提案する。第IV章，第v章では拠点集落以外 への次善策を示す。第VI章では，これまでとの考え方の 違いを少し整理する。最後に共同研究会「撤退の農村計 画」の「積極的な撤退」との関係を説明する。長期的に考えると，過疎集落対策の正攻法は何らかの 形で，その集落の人口を維持することに集約される。基 本的には都市から農村への移住であり，若い世帯の移住， 定年帰農，二地域居住などがある。