複数の圃場情報を効率的に確認できるPMS圃場情報表示プログラム

摘要

今後の地域の担い手として期待される集落型経営体や農業生産法人、大規模経営農家はこれまで以上に多くの圃場を管理しなければならない状況に直面しており3、担い手の栽培を支援する技術の提示が求められている。このため、農業情報処理システム、なかでも情報の視覚化を可能にするGIS (地理情報システム)を基にした農業情報処理システム(以下、農業GIsと略す)がいくつか提案されている。ところが、既存の農業GISは全国を対象として設計されているため、最大公約数的な機能の実装にならざるを得ない。その結果、追加機能が必要という事例が発生する。筆者らは、茨城県筑西巿田谷川地区(田谷川土地改良区管内)を対象とし、農業GIsの一種であるPMS (「作業計画、管理支援システム」3)の応用を試みている。改良区の受益地面積は水田四九八te、畑四二toの合計五四〇taであり、ほぼ全耕地の基盤整備が終了している。また、平成一一年より管内を一つのブロックとした口—テーシヨンが開始され、現在は三年四作(イネ-イネ-ムギ-ダイズ)のブロック口—テ—ションが完全実施されている。このほかにも新たな事業に積極的に取り組むなど、意欲的な農家が多い。