牛ウイルス性下痢ウイルス（BVDV）コント口ール--本州の行方--

摘要

牛ウイルス性下痢ウイルス（BVDV）はその多くの株が培養細胞に細胞変性効果（CPE）を示さないことから，かつては家畜保健衛生所において診断の難しいウイルスのひとつであり，特に新しくウイルス検査の担当となった者にとってはいやなウイルスであった。ところが近年，RT－PCR法によるウイルス遺伝子検出の技術の普及や培養細胞でCPEを示さない株，すなわち非細胞病原性（NCP）株にもCPEを起こす新しい培養細胞が開発されたため，BVDVの診断は以前に比べ容易になり，苦手意識のある若手担当者はいなくなったように思われる。 このため，最近本州各地でBVDV持続感染（PI）牛の摘発が盛んに行われるようになった。 ここでは本州を代表して，石川県におけるBVDVコントロールの現状と課題について紹介する。