オーナー応募者の行動からみた棚田オーナー制度の継続性－鴨川市大山千枚田を事例に－

摘要

棚田オーナー制度（以下「オーナー制」）は棚田保全の施策の中でも近年注目を集めているが，2000年現在では全国29地区－）が導入しており，さらなる拡大の傾向にある。 この制度は，オーナーの農業体験と地域活性化を目指したものであるが，それを理解するためには，オーナー制の各構成員，特にオーナーの意識や行動を把握することが不可欠であるにもかかわらず，そうした研究はこれまでに見られない。 また，制度が継続していく可能性についても課題となっているが，それに対してもオーナーの意識が寄与するところは大きい。 そこで本研究は，地域活性化を目的として2000年よりオーナー制を開始した鴨川市大山千枚田オーナー制度を事例として，オーナー制におけるオーナーの行動並びに意識をアンケート調査によって明らかにし，またそれを踏まえてオーナー制の継続について考察する。