製材の乾燥時間算定法に関する研究（第2報） 熱伝達特性値の測定と伝熱モデルの実験的検証

摘要

前報にて提案した伝熱モデルを実験的に検証するにあたり，乾燥条件により異なる熟伝達率を含む特性値を実験的に求める必要がある。昇温段階（段階I),気相段階（段階noでの計算で必要となるBiot数を実験により求めた。Biot数は含水率によって変化する値であり，3次曲線 により近似することで実験式を得た。また.放熱段階（段階IV)の計算で必要となる乾燥機内流 体と製材表面の間の熱伝達率を算出した。ヒノキの120 mm角ならびに135 mm角の実大柱用製 材を用いて実験室的に乾燥実験を行い，実験から得られた値と計算値を比較したところ.初期含 水率が70%以下の範囲で各段階において両者はよく一致し，提案された伝熱モデルに基づいた乾 燥時間計算方法がおよそ妥当であるとの結論を得た。