立位鎮静下のゥマにおけるカバー付きEEカッターを用いた 経鼻的軸側切開による喉頭蓋ェン卜ラップメン卜切開術

摘要

ゥマの喉頭蓋ェントラップメント（EE)は、 喉頭蓋下粘膜と披裂喉頭蓋ヒダが喉頭蓋上へ背側 変位することで起こる。特に競走馬では、異常呼 吸音を呈し、プアパフォーマンスの原因となる。 また、喉頭蓋下組織の形成不全、炎症および腫脹 といった異常は、EEの発症を増加させる。さら に慢性化すると、喉頭蓋下組織の著しい肥厚が観 察される。EEは、ェントラップヒダを外科的に切開する ことで解消される。立位鎮静下の馬におけるェン トラップヒダの整復は、EEカッター、レーザー および電気凝集法のいずれかを用いて行われる。 EEカッターを用いた経鼻的軸側切開は、Honnas とWheatによって提唱された。この方法は迅速 で安価であり、利点としては、手術した馬の 88%がレースに復帰したこと、レーザーや電気 凝集法と比較して、良好な手術成績と低い再発率 を示したこと、麻酔経費と麻酔に続発する危険性 を減少させたことが挙げられる。しかし、経鼻あ るいは経口的軸側切開のどちらのアプローチ法に おいても、EEカッターの刃が保護されていない ため、手術の間に突然馬が動いた場合は、軟口蓋 や周囲組織を傷つける可能性がある。特にEEが 慢性化していた場合はリスクが増加する。これは、 肥厚し線維化したヒダの切開に力を要すためであ り、もしも軟口蓋を傷つけた場合には、その傷害 によつて重度の合併症を引き起こす。