非分娩馬への泌乳誘発および乳母としての導入

摘要

サラブレツド生産において、母馬の死亡や 育子放棄が生じた際には、生産者は乳母を導 入するか代用乳による人工哺乳を行うかの判 断を迫られる。しかし、前者では高額な費用 や、乳量過多による過肥、後者では昼夜を問 わない授乳作業や乳量不足による成長制限な どのデメリットがあることから、生産現場で 大きな問題となっている。近年、出産してい ないゥマに対ヒてホルモン処置を施すことに より泌乳を誘発する試みが報告された。本研究では、20歳サラブレツド非分娩馬に対して 泌乳を誘発し、育子拒否された子馬の乳母と して適応させることに成功した。そこでその 過程における、内分泌学的および生化学的な 推移を調査し、生産地の繁殖現場で応用可能 であるか検討した。