黙認耕作と戦後処理問題 --沖縄県読石村の事例を中心として--

摘要

本報告では,　 調査結果や行政資料なとをもとに.　 読谷村内で行われてぃる黙認耕作に．ついて分析し, 黙認耕作者の置かれ「ている現状などを指摘し，公共事業Lとの兼ね合いま含め．て将来的な問題毎を述′べるものである. 始めに村内の黙認耕作の概況を村内全体からの禎申で捉える.次に読谷村補助飛行場の土地利用をめぐり.　 れ　 旧地主,　 現耕作者の三者間において起こ〕ている利害対立につぃ、て取り上げる.この間題の発端は旧日本軍時代に遡る. この問題を.　 土地利用を巡る「戦後処理問題」と位置つける.　 その歴史的経緯を述べ構造分析を行う. また,　 ここでは，困難な耕作環境の中で村内の農業生産に貢献し, 勤労所得を得ている彼らに特に焦点を当て,　 読谷村内の黙認耕作を巡る問題構造を明らかにしようと試みる.