と畜検査で発見した若齢での 地方病型牛白血病の一例

摘要

牛白血病は.白血球増加や全身性のリンパ肉腫を主徴とする疾病で，牛白血病ウィルス（以下.BLV)感染による地 方病型と原因が解明されていない散発型に分類される (表-1)。BLV感染牛は通常長い潜伏期間を要し，リンパ肉腫を発 症する個体は感染牛のうち数％と言われている')。また， その潜伏期の長さから子牛の発症例は少ないとされている。しかし近年，全国的に牛白血病の発生が増加傾向にあ り2)，当検査所においても，と畜検査において牛白血病と 診断し，全部廃棄となる事例が増加している（図）。そのよ うなな力、，8力月齢という若齢での地方病型牛白血病と考 えられた症例を発見したので報告する。