失敗しない牛群検診～農家をその気にさせる10ステップ

摘要

酪農における獣医療は，この四半世紀の酪農情勢および畜産環境の変化に伴い，その内容も大きく変貌を遂げている（図－1）。 従来，獣医療は個体診療を基本とし，家畜の生命救済によって損失を低減させてきた。 一方，近年は様々な視点から生産現場に顕在あるいは潜在している生産阻害要因を排除することにより積極的に生産性を向上させて経営安定を図りつつ，さらに家畜福祉や食の安全も確保する酪農産業の支援へと変貌している。このようななかで，我が国において‘‘牛群検診”は，生産獣医療（PM）のいくっかの構成要素（疾病分析，乳検成績分析，飼養管理診断，育成午の管理，施設の評価，経営評価など）をまとめた独立した検診プログラムとして，繁殖管理や乳房炎防除とともに取り組まれることが多い。