肥育豚の口腔液中のPRRSウイルスおよびPCV2感染に関する調査

摘要

ヒトも動物も，感染を受けた個体の口腔液には抗体と病原体が検出される。口腔液に抗体が含まれることは1909年にすでに報告されている。口腔液中の抗体（IgM，IgA，IgG）は唾液腺とリンパ系組織でつくられ，主に口腔粘膜からの浸出液として分泌される。口腔液中に検出される病原体は，豚コレラウイルスのように口腔系の組織で複製される場合や，B型肝炎ウイルスのように体内を循環したあとに粘膜浸出液を経て口腔内に現れるものがある。口腔液に抗体と病原体の両方が検出される例としては，牛の。蹄疫，ヒトのブルセラ症，猫免疫不全ウイルス感染症がある。口腔液を用いた診断はヒトでもHIVなどで利用されている。