硫酸亜鉛および異なる有機態亜鉛源の亜鉛利用性と，これらの亜鉛源が反轟胃内揮発性脂肪酸比に及ぼす影響

摘要

育成牛，または肥育牛では無機亜鉛と比べ石機態亜鉛の生体利用性が高く，有機態亜鉛補給により成長が促進され，枝肉形質が向上することが報告されている。しかし，無機態亜鉛と右横態亜鉛の効果を比較したいくつかの試験の結果は必ずしも一致しておらず，これらの生体利用性に差がないことも報害されている。右横態亜鉛にはさまざまなリガンド（アミノ酸や蛋白質の加水分解産物）が用いられており，リガンドと亜鉛の結合形態もさまざまである。 したがって，有機態亜鉛に用いられるリガンドが亜鉛の生体利用性に影響を及ぼしている可能性がある。 また，亜鉛源のなかには反袈胃内発酵に影響するものがあることが報告されている。反袈胃内で有機態亜鉛が解離せず複合体のまま存在するならば，無機態亜鉛とは異なる影響を反袈胃内発酵に及ぼす可能性がある。 実際，亜鉛プロティネート（亜鉛と蛋白質加水分解産物の複合体）補給は酸化亜鉛補給より，反袈胃液中溶解亜鉛濃度を高めることが認められている。 本論文は飼料への異なる形態の亜鉛源補給が亜鉛代謝と反袈胃内揮発性脂肪酸パターンに及ぼす影響を検討したものである。