ホルスタイン種牛にみられた低栄養性無排卵症の卵巣画像と血中ホルモン動態

摘要

乳牛の栄養管理において，乾乳期の飼料給与，特にクローズアップ期の乾物摂取量は，周産期疾患の誘因となるばかりでなく，分娩後の発情の回帰や受胎に影響を与える重要な要因となっている。 正常な雌牛の発情周期では，2ウェーブまたは3ウエーブの形で複数の卵胞がFSHとLHの刺激により，同時に発育を開始し，その中で最も発育した主席卵胞が急激に発達して，血中LHの上昇により排卵する。 牛の排卵障害は栄養素が欠乏することにより，正常なLHサージが抑制されて，発症することが報告されている。