森林造成技術の高度化による熱帯林のCO_2シンク強化プロジェクトの概要

摘要

森林は，陸城壁態系の中でCO2濃度の低減、安定化に最も寄与しているシステムの一つと考えられており，とりわけ熱帯林は，その面積および成長量から，最も大きなポテンシャルを有していると考えられる。 しかし，周知のように，近年の熱帯天然林の減少は著しく，森林の蓄積そのものの減少だけでなく，それに伴う生物多様性の消失や地域社会経済の崩壊が問題となっている。 熱帯天然林の減少を止めるためには，違法伐採や過度の商業伐採，無秩序な焼き畑等を抑制することが必要であるが，そのためには天然林伐採に依存しない，安定した地域経済を確立することが不可欠である。 即ち，人工林の持続的経営を確立し，天然林と人工林との住み分けを行うことが天然林保全への実際的手段であると考えられる。