365日休みなく、毎日汗を流しながら愛情を持って牛を飼う酪農家の姿に尊敬

摘要

わたしの両親は酪農家で、物心が付いたときから生活の中に牛がいました。家族のように育ったからでしょうか、幸いときや悲しいときに牛を見ていると気持ちが落ち着きます。そのつぶらで純粋な瞳を見ていると「何をくよくよしているのだろう」と前向きになることができます。子牛がミルクを飲み終えてうとうとしている姿など、ちょっとしたしぐさに自然と笑みになり、心を癒やされます。今もそうですが、牛には随分と助けられています。　中学生のころまでは「両親の後を継いで酪農家になりたい」と思っていました。しかし、いつしか牧場に診療に来ていた獣医師が気になる存在になっていました。「自分も苦しんでいる午たちを助けたい」という思いが日に日に強く、なり、臨床獣医師を目指して酪農学園大学の門をたたきました。　学生のころ、獣医学部の先生から「プロダクションメディスン（生産獣医療）」を教わり、とても感銘を受けました。プロダクションメディスンとは健康、栄養、繁殖を含めた牛群管理を通して、牛が病気になるのを未然に防ごうという予防獣医療から生まれた概念です。牛が病気にならないように獣医師が飼料設計なども含めて積極的に予防にかかわる考え方は、その当時はとても新鮮に感じました。そのうちに「自分も予防獣医療をやってみたい」と思うようになりました。　卒業後、念願の大動物獣医師になり、先輩獣医にしかられながらも充実した日々を過ごしていました。