妊娠豚の行動，繁殖成績および栄養素の消化率に及ぼす高繊維飼料と飼料の給与回数の影響

摘要

家畜の飼養管理についての社会的関心が，過去10年の間に高まっている。 養豚産業において，妊娠豚の福祉が生産者にとって大きな関心事になっている。 常同症は，福祉の程度が惑いことの指標として用いられている。常同症には，豚房の柵にかみついたり，見せかけのかむしぐさ，飼料がない時に床や飼槽のにおいをかいだり，なめたりする行動などが含まれる。低福祉状態の他の指標としては，副腎機能の克進，成長や繁殖成績の低下などが挙げられる。妊娠豚への高繊維飼料の給与は，繁殖豚の福祉を改善し，常同症を減ずることによって，繁殖成績を向上させ，産子数を増やすことが報告されている。また，飼料の給与回数は，繁殖成績を向上させることが知られている。