下痢子牛に対する脂肪乳剤を用いた高カロリー輸液療法の検討

摘要

子牛における高カロリー輸液としての脂肪乳剤の投与量、速度と治療効果を検討した。 健康子牛15頭を用いた基礎試験において，20％脂肪乳剤500mLを3時間で投与したA群および250mLを1時間で投与したB群の，トリグリセライド，遊離脂肪酸，β-ハイドロキシ酪酸は，250mLを3時間かけて投与したC群のそれに比べ高い値で推移した。 C群のトリグリセライド，遊離脂肪酸は投与後退やかに減少しており，脂肪乳剤の速やかな代謝が推察された。 低脂血症を伴う下痢症子牛6頭に，1日1回，20％脂肪乳剤250mLを3時間かけて投与したところ，いずれも低脂血症の改善を認めた。