異なる温度条件下における罹病枯死葉上のマンゴー炭疽病菌Colletotrichumgloeosporioidesの生存期間

摘要

沖綞県のマンゴー施設栽培において炭病の発生が 深刻な問題となっている。本病は輸送過程で果皮に黒 色の斑点が生じ，商品価値を著しく低下させるだけでなく （澤岷ら，2012).生育期の若齢葉や花房にも感 染して葉枯れや枝枯れを引き起こす。そのため，施設 内の防除対策が急務となっている。宮崎県内農家のマ ンゴー栽培ハウスにおける実態調査によると，施設内の剪定残渣がほとんどない園地では炭ffi病の発生が比 較的少ないことが観察されており（寺本ら.2009). 罹病残渣が重要な伝染源になることが示唆されている。 一方.防除対策として薬剤散布と併せて.施設外への 残渣除去が重要な指導項目となっているが.沖禅県で は多くの園地で未だ残渣が放置されている場合が多く ， 依然として残渣除去を実施する農家は少ない。これまでに，イチゴ炭疽病ゃキユウリ褐斑病では罹病残渣上 で病原菌が長期間生存し，ほ場の1次伝染源になりうることが報告されているが（石川ら，1989;挟間. 1993),マンゴ一の罹病残渣上における病原菌の生態 に関する知見はほとんどない。生産現場において耕種 的防除の重要性を示し，伝染源の除去を実践する上で, 残渣上の病原菌の生態解明は重要である。そこで，マ ンゴ一の罹病残渣が翌年の伝染源になる可能性を探る 目的で，異なる温度条件下における罹病枯死葉上のマ ンゴー灰祖J丙菌Colletotrichum gloeosporioides (Penzig) Penzig & Saccardoの生存期間を調べたの で報告する。