タバココナジラミバイオタイプQとBにおける 交雑の可能性および力ボチャ白化症の発現能力の差

摘要

タバココナジラミバイオタイプqは，2004年に国内に侵入した害虫で，その生態は不明な点が 多い。そこで，宮崎県で採集したバイオタイプqを用い，バイオタイプbとの交雑の可能性およ ぴカボチヤ白化症の発現能力の差を検討した。産雄単為生殖であるタバココナジラミは，交雑が 起きた場合は雌成虫が得られる力s，バイオタイプqとbの雌雄成虫の組み合わせで得られた次世 代成虫は全て雌成虫であり，交雑は確認されなかった。また，本葉1枚目展開初期のカボチヤに 両バイオタイプ成虫を接種した結果，バイオタイプbでは本葉3枚目以上の葉，まきひげおよび 茎に明瞭な白化が認められた。バイオタイプqでは本葉3枚目以上の葉に白化が認められたカ气 バイォタイプbに比べその発生葉率は低く ，発生程度は軽微，まきひげおよび茎の白化は未確認 であった。なお，バイオタイプb， qともに本葉1-2枚目に，幼虫の寄生が原因と考えられる 退緑小斑点力s確認された。