家畜伝染病予防法の改正の概要

摘要

我が国において，家畜防疫は，畜産の振興および 畜産物の安定供給を図る上で重要な役割を担ってい ますが，近年，アジア諸国において口蹄疫ゃ高病原 性鳥インフルエンザ力《続発しており，その重要性は ますます高まつ.ています。こうした中で，昨年4月に宮崎県で発生が確認さ れたロ蹄疫は，約30万頭に及ぶ牛.豚の殺処分を行 うなど，地域経済.社会に大きな影響を与えました。 このロ蹄疫対策を検証するため，第三者からなる口 蹄疫対策検証委員会を農林水産省に設置し，昨年11 月に報告書が取りまとめられました。この報告書の 中では，現在の防疫体制について，国と都道府県等 の役割分担の在り方，我が国へのウィルス侵入防止 措置の在り方，畜産農家のウィルス侵入防止措置の 在り方，発生時に備えた準備の在り方，患畜の早期 の発見、通報の在り方など，今後の防疫体制の改善 方向について詳細に提言されていますが，特に「発生の予防」，「早期の発見、通報」，「迅速な初動対応」 が最も重要とされたところです。加えて，我が国に おいては，昨年11月以来，高病原性鳥インフルェン ザの発生が各地でみられたところです。