フラク卜才リゴ糖の投与が黒毛和種 哺乳期子牛の乳酸桿菌に及ぼす影響

摘要

黒毛和種牛で腸炎を発症した哺乳期子牛の腸内環境を安定させる目的で，フラクトオリゴ糖（以下FOS)の投与を治療と併用し，その効果および糞便中乳酸桿菌の動態を調査した。また，代用乳哺育 牛群の正常便中乳酸桿菌の調査およびFOS投与試験も実施した。その結果，FOSの投与によって平 均診療回数の有意な減少を認めた。また，代用乳哺育牛群では母乳哺育牛群に比べ正常便中乳酸桿 菌数が有意に少ないことが認められたが，これらにFOSを投与することで標準値以上に推移させる ことが可能であり，さらに10 g投与群では無投与群に対し1日増体量（以下DG)で有意な増加を認め た。以上のことから，FOSの投与は腸内有益菌のひとつである乳酸桿菌の増殖を促し，腸炎の治療 および発育に効果を示すこと力s示唆された。