早期離乳黒毛和種子牛に多発した 大脳皮質壊死症

摘要

3日齢で母子分離された早期離乳の黒毛和種子牛に大脳皮質壊死症が多発し，その原因の追究と飼 養管理方法の変更による予防を行った。発症牛の血中チアミン濃度は平均2.4 ng/mLとその欠乏を示 す値であり，第一胃汁検査でプロトゾァは検出されなかった。スターターなどの固形物の発酵，消 化が十分に行われておらず，胃内微生物によるチアミンの供給は十分でないと推測された。母子分 離を10日齢にし，生後2日目より代用乳の給与，スターターの変更，柔らかい乾草の給与，断乳時 期の延長を行ったところ，固形物の摂取量は増加し，血中チアミン濃度は平均23.8 ng/mLとなり大 脳皮質壊死症の発生はなくなった。