肥育素牛の損耗防止のために

摘要

生後1～2週齢の初乳をもらう期間が終わったばかりの子牛（いわゆるヌレ子）の輸送は，家畜市場を介したものも，農家間直接取引によるものも，かつてはホルスタイン種雄子牛が大半を占めていた。 しかしながら，生乳の生産調整、乳価の据え置きと国産肉用牛の増頭傾向を受けて，近年では，ホルスタイン種雌牛に黒毛和種の精液を人工授精して生まれた交雑種や受精卵移植によって生まれた黒毛和種のヌレ子の生産、流通が盛んになっており，生後1カ月齢程度までのこれらの子牛の都道府県を跨いだ広域輸送が常態化している。