コルチコステロン投与ラットの筋肉タンパク質分解に対するカルシトニンの作用と機構

摘要

骨格筋には湿重量に対して約20％ものタンパク質が含まれている。 骨格筋タンパク質の約半分は細胞膜、ミトコンドリア、小包体、核などを構成する細胞構造タンパク質や酵素タンパク質であり、残りは筋肉の収縮性構造を構成する筋原線経タンパク質である。 このような骨格筋は、体タンパク質全体の40％を占める最大の組織であり、全身のタンパク質とアミノ酸の代謝において大きな役割を果たすと考えられる。 本論文では哨乳動物における骨格筋のタンパク質代謝、とくにタンパク質の分解について概説するとともに、グルココルチコイドの1種であるコルチコステロンを投与したラットにおけるカルシトニンの作用について、著者らが得た生理諸反応に関する知見を紹介する。