ポジティブリスト制に係る残留検査対象物質 －特に暫定基準が公表された動物用医薬品の休薬期間－

摘要

食用動物に使われる動物用医薬品で，従来のように薬物残留が規制されているものと規制されていないものがあるのは理屈に合わない。 ポジティブリスト制の施行は当然なことと思う。 動物用医薬品を使えば薬はかなり長い期間に畜体に残る。 どの程度まで食用動物の体に残っても人間の害にならないか，欧米では1970年代から膨大な研究が行われ，90年代になりADIに基づくMRLにより規制する方法を確立した。 現在，日本も含めた多くの国でこの方法での残留規制が採用されることになり，すでに日本では39の動物用医薬品がこの基準に基づいて休薬期間が設定されている（図1）。