「家畜共済における臨床病理検査要領」の設定についてやりみず

摘要

家畜共済の診療に役立つ臨床病理検査法を整理した指針として，「家畜共済における臨床病理検査要領」（以下「検査要領」という。 ）を定めているが，今般，平成17年5月23日付け16経営第8829号農林水産省経営局長通知により改正され，都道府県及び農業共済組合連合会等へ通知されたので，今回の改定概要等を紹介する。 検査要領は，家畜臨床の現場において利用しやすく，かつ，応用価値のある簡易な臨床病理検査法を普及していくことを目的に，獣医師が家畜共済における臨床病理検査を行う上での基準として，昭和53年4月に制定された。 その後，昭和62年に，臨床病理検査機器や技術の進歩に対応するため，新しい臨床病理検査を追加する等の改定が行われた。また，畜産経営の飼養規模の拡大や生産性の追求に伴って生産病や周産期疾病が多発する中，個々の個体診療や特定損害防止事業だけでは，農家のすべての獣医療ニーズに応えていくことができなくなってきた。このため，農家で飼養されている家畜を群として捉え，家畜群の健康を代謝プロファイルテスト等を活用して定期的に検診するいわゆるハードヘルスといった考えが導入されるようになり，平成9年に，これらに必要な検査方法について追加する等の改定を行った。