腹八分目はサルでも寿命を延ばす!？「腹八分目に医者いらず」を実証するァカゲザルを用いた食餌制限研究

摘要

「健康で長生きしたい！」と願うわれわれにとって， 老化は悩ましい問題であると同時に興味深い現象であ る.老化は生物に共通する生命現象であるため，そのメ 力二ズムの解明を目指した研究が種々の生物を用いて行 われてきた，これまでの知見によれば，摂取するカロ リーを制限すること（カロリー制限，Calorie Restriction (CR)，または食餌制限という）は，酵母のような 単細胞生物からマウスなどの哺乳類まで多種多様な生物 種において老化を遅らせ寿命を延長させる外的要因の一 つである(2>.さらにマウスなどの哺乳類において，栄養 失調に陥らない程度のカロリ一制限は寿命を延長するだ けでなく加齢に伴う疾病の発生を遅らせる.近年までこ のようなカロリ一制限による恩恵が霊長類にも同様にも たらされるかが疑問であった.本稿では，これらに関す る最近の話題を提供する.