クラウド型計算機資源利用に基づいた新型DNAシークェンサ大量配列解析

摘要

ゲノム研究分野では，塩基配列を決定するDNAシー クェンシング装置の解読速度が近年加速的に進歩した結 果，ゲノム解析数や疾患遺伝子同定数が飛躍的に伸びて いる.新型または次世代シークェンサと呼ばれるこの高 速シークェンシング装置の普及に伴い，大量の塩基配列が低コス卜で短期間に得られるようになった.しかし同 時に，大規模配列データは保管用ストレージに解析用計 算機不足，さらには解析するための研究者や技術者が足 りないという問題をひき起こしている.このような新型シークェンサ大量配列解析に付随する 保管、解析の計算機資源不足問題への対処策を講じるた めに，日本DNAデータバンク（DNA Data Bank of Japan ： DDBJ)ではクラウド型計算機資源利用に基づい た新型シークェンサ大量配列のデータ保管と定型解析処 理を提案している.クラウド型の計算機資源利用とは， 手元の計算機の性能が高くなくてもィンタ一ネット経由 で保管資源や解析処理資源を入手する遠隔地の計算機資 源利用法を表わす.